ヌードモデルに選ばれた姉

39話


 晴れた日曜日の正午。
 佳子は公民館の玄関前に来ていた。
 聞く話によるとバカな2年生が公民館の玄関で裸になり地域貢献をアピールしたらしいが、もちろん彼女はそんなことをする気はない。
 普通に玄関の扉を開けて、靴を脱ぎ、中へと入る。
 約束の時間にはまだ1時間あるためか、室内に人は大して集まっていなかった。

「あれ、佳子ちゃん。まだ服を着ているんだ。玄関で脱いでくれても良かったのに」
 責任者である鈴木さんがニコニコしながら近寄ってきた。
 いきなり玄関脱衣を期待されたことに、彼女はむかつきながら言う。
「そのことでお願いがあります」 
「なにかね」
「やはり着衣でのモデルにして欲しいのですが」
 佳子がいうと、鈴木さんは驚いた顔を見せた。
 全く予想だにしていなかったようだ。

「なぜ?学校の許可を降りているはずだが」
「私はまだ未熟でヌードモデルが出来るような状態ではありません。鈴木さんも最初は美術部が反対していたことをご存知でしょう」
 佳子は弟から得られた情報を上手く織り交ぜながら嘘を言った。
 もちろんヌードモデルになんてなるつもりはないし、勉強をする気もない。
 だが、ここで断るには未熟という勘違いは都合が良かった。

「裸なしは困るなぁ。みんな楽しみにしているし」
「楽しみといいますが、そもそもご婦人たちからも反対の声が出ているでしょう。ならやめてもいいはずです」
 子供たち曰く、この日になると母親の機嫌が悪くなると言う。
 つまり快く思っていない意見があるということ。
 かなりの当てずっぽうだったが、鈴木さんは考え込む仕草を見せた。
 どうやら予想は当たっていたようだ。このまま逃げ切れると思ったが。

「ならこうしよう。水着でやってくれ。実は2年生がヌードになった時も妻の反対で2日目は水着を着てもらったし」
「え? 2年生が水着姿でモデルをしたのですか」
 佳子は雲行きが怪しくなるのを感じた。
 またまた会ったこともない2年に邪魔をされた気分だった。
 今だって『水着は跡が残るから駄目です』と言えば、それで話は終わったはず。
 それなのに2年が水着姿でモデルをやったために、逃げ道を塞がれてしまった。

「どんな水着なのですか。サイズが合わないようなら帰ります」
「サイズ?いやぁそうじゃなくてねぇ。って見てもらったほうが早いか。ちょっと待って」
 初老にしては小太りな体を揺らしながら鈴木さんが水着を取りに行った。
(2年生か……)
 今までの話を総合すると問題の2年生はスポーツ少女で長身のようだ。
 とてもサイズが合う感じではない。いや、仮に合っていたとしてもいちゃもんを付けて逃げる。
 そのような作戦を彼女が練っていると、鈴木さんが戻ってきた。

「あったあったこれこれ。ほらな。これならサイズとか関係ないだろ」
 視界に入った物を見て思わず佳子の目が釣り上がる。
 鈴木さんが持ってきたのは青黒い色をした男物の水着1枚。海パンと呼ばれるものだった。

「上はないのですか」
 呆れた顔で佳子がいうと、
「海パンに上なんてないだろ」
 当たり前な答えが返ってきた。 

「だからヌードはまだ無理と言ったじゃないですか」
「だから妻がヌードは駄目というから水着を着てもらったと言っただろう」

 平行線を通り越した言葉が虚しくもすれ違った。
 だが、彼女はわかっていた。今の流れは自分が圧倒的に不利であることを。
「そもそも佳子ちゃんは3年生だろ。2年生が出来たことをやれない道理はないのではないのかね」
「……」
 常に邪魔をする2年生の影。どうしても、このイレギュラーの存在が超えられない。
 弟から得られた情報にも2年生の話はろくになく対策をたてようがなかった

「それにだ。私は佳子ちゃんがここに来る前から毎日ノーパンノーブラで登校していることを知っているよ。立派なモデルさんになる努力をしているんだろう。本当に大したものだ」
「え?え?」
 確かに鈴木さんとは朝に挨拶することが多い。
 だが、下着無しがずっと前からバレていたなんて予想もしていなかった。
 前回のモデルの時に知られていたのも白鳥が話したからと思いこんでいた。
 いつから気が付かれた?先々週なのか?それとも初日には既に?
 彼女は顔色が青ざめるのを感じた。

「聞くところによると佳子ちゃんは羞恥心を克服するために毎日学校で胸を見せる練習までしているというではないか。素晴らしいことだ。今日はその成果を見せるときではないのかね」
「あれは練習なのではなく……」
 と、言いかけて言葉が詰まる。
 あの検査がヌードモデルの練習であることは疑いようもない事実だったからだ。

 佳子が黙り込むと周りから人が集まってきた。

「あれ。鈴木さん。どうしたんですか」
「いやね。今日は佳子ちゃんに海パン姿のモデルをやってもらおうと思いまして」
「あーあれはいいね。今は男らしい格好、女らしい格好が時代遅れだと言われる理由がわかりますな」
「そうですね。この前の2年生の海パン1丁で大して大きくないおっぱいを晒しながら仁王立ちする姿は惚れ惚れしましたよ」

(く、狂っている……)
 佳子はヌードモデル阻止の策略が破綻しつつあることを認めざるをえなかった。
 それもこれもまだ見ぬ2年生のせいだった。
 2年生が海パン姿なんかにならなければ、こんなところで胸をさらけ出すピンチに陥らなかったと思うと悔しくてたまらない。


「で、どうしろというのですか」
 回りくどいのは嫌いだった。
 佳子がストレートに問うと鈴木さんはやや困った顔を見せながら言う。
「だから海パン姿で」
 堂々巡りとはこのことか。佳子はため息を尽きながら再び攻め方を変えた。
「一つ聞きますが、今回のテーマはなんですか」
「テーマ?」
 案の定、鈴木さんは戸惑った。弟いわく美術部は毎回きちんとテーマを決めて書いているという。
 佳子からすれば、ただ恥ずかしい格好をされられただけでしか無かったが、そこは腐っても全国すら狙える美術部。
 無意味に生徒を裸にしているわけではなかった。

「えっと」
 鈴木さんは黙りこくったまま動かない。見れば周りの大人も同様。
 やはり、ここには美術を本気でやる人物はいない。
 元々公民館のふれあいの時間でしかないんだから当たり前であったが、佳子はその弱みにつけこもうとした。
「書きたいものがないのなら帰ります」
 そう言って出口に向かって歩き出す。
 やり方は汚い。近所の評判も落ちる行動でしか無かったが、どうしてもやりたくなかった。
 でもこれでよかったんだ。彼女はそう思い込もうとすると子どもの声がした

「テーマは女性の開放なんてどう? お姉ちゃん」
 いきなり言われて佳子が振り返る。そこには小学6年か中1ぐらいのまだまだあどけない感じがする背の小さな少年がいた
(誰?)
 視線を合わせると少年はニコニコと子供らしい笑顔を振りまく。
 なんだろうか。凄いわざとらしい感じがした。

「おお。流石は祐太くん。私たちが思っていたことを上手く言ってくれた。さっきも少し話題に上がっていたけど開放された女性だよ。海パン姿はそれを現すのにぴったりだ」
「そうそう。男性用の海パンを履き上半身を晒す女性。まさに現代の男女の価値観を表していると言える」
 鈴木さんたちは意味不明なことを言いながら盛り上がった。
 女性の開放。確かに先程そんな戯言を言ってたので少年の言葉に嘘はない。
 こんな小坊のくせに大人たちの意図を上手く読み取って形にしたのだ

「えっと君は誰かな」
 佳子は座り込んで問いだ。内心は邪魔をされてイライラしていたが、こんな子供相手に怒るわけにもいかない。
「僕は松山祐太。お姉ちゃんは憶えていないだろうけど前にも会っているよ」
「祐太君?えっと、いつあったかな」
 もう一度見るが、やはり記憶にない。
 それなりに大きな町内の住民を全て憶えているわけでもないが、少なくても前回の公民館にはいなかったはず。

「あれは僕が中学に入って美術部副部長に就任後の出来事だから5月頃かな。ほら校舎裏で」
 ニヤニヤした祐太が小声で囁くと、佳子の体がピクリと震える。
 無意識のうちに胸を隠す動作をしそうになった。
「中学ってことは中等部?校舎裏?まさか……」
 こんな小さな子が中学生。しかも1年で美術部副部長だったことに驚きを隠しきれない
 そして何よりも驚いたのは校舎裏で行われた中等部の写生授業の参加者であること。
 それはこの少年には既に裸を隅々まで見られているという現実でもあった。

「なんでそんな子がここに」
 中等部とは言え、同じ地域の学校に通っているんだ。
 近所の子供がいてもおかしくなかったのに、まるで考えていなかった。
 彼女は自分の読みの甘さを呪った。

「お姉ちゃん。今日は僕の顔を立ててくださいよ。こいつらに女のおっぱいを見せてやると約束したもので」
 祐太の横には小学5、6年生と思われる男子が3人いた。

「僕、おっぱい見るの初めてだから楽しみ」
「なんだ、子どもだな。ボクなんて妹のおっぱいを見たことあるぜ」
「お前の妹って小3だろ。そんなツルペタみてもじまんにもならんわー」

 子供らしい和気藹々の会話だったが中身は聞くに耐えず腐りきっていた。
 男子とはこんな小さな時からエロガキなものなのか。
 女子の経験しかない佳子にはわからなかった。

「おい。これは遊びじゃないんだぞ。ここできちんと女の体を勉強して貰わないと俺が困る。お前らは中学に入学したら美術部に入って俺のサポートをしてもらうんだからな」
 3人が騒ぎ出すと祐太が注意する。
「祐太さん。わかっていますよ」
 どうやらこの3人の小学生は本当におっぱいを見るためだけに集めたようだ。
 冗談じゃないとばかりに佳子が言う。
「嫌よ。あんたの顔を立てろと言われてもそんなことする義理もないしやらないわよ」
 すると少年は意地悪な顔をしながら言い返す。
「僕に貸しを作っておいて損はないと思いますよ。なんと言っても僕のジジイはあの松山北辰ですからね」
「松山北辰?……」  
 あっ、と驚きの顔を佳子が見せる。
 ようやく理解した。この少年が隣の町内の有名人である松山北辰の孫であることを。

「そういうこと。お姉ちゃんはヌードモデルをやるのが嫌なんでしょう。なら学校との繋がりが深いジジイに会えるチャンスを逃す手はないじゃないの」
 なんか凄く話慣れというとか手慣れた感じがした。
 おそらくこの少年はこうやって祖父の権力を利用して生きてきたのだろう。
「……」
 佳子は瞬時に現状を把握し、そして大きくため息を吐く。
 最善を求めるなら考えるまでもなかった。降って湧いたようなチャンスだったからだ。
 もちろん、こんな打算で自分の胸を晒すのは抵抗がある。
 ある意味、強制で脱がされているよりもハードルが高い。
 これはプライドをまた一つ捨てることでしか無かったからだ。
 だが、利用できるものは全て利用する。その決意を考えればこのチャンスを掴まない選択肢はなかった。

「鈴木さん。バスタオルください」
「おお、やってくれる気になったかね。今取ってくるから待っていてくれ」
 鈴木さんが駆け足で取りに行く。

「約束は守ってもらうわよ」
「わかっているって。でも僕は紹介するだけ。ジジイとの交渉はお姉ちゃんがやってね」
 最初からそんなことまで少年に頼むつもりはなかった。
 彼女が頷くと、先程の鈴木さんがどすどすと音を立てながら戻ってくる。
 手には白いタオルがあった。

「はいこれ。バスタオルはなかったから手拭き用のタオルで」
 渡されたタオルは短かった。ごくごく普通のタオルでしかない。
「もう少し大きなタオルはないでしょうか」
「ありません。後はハンカチぐらいなものです」
「……わかりました。ありがとうございます」
 これ以上粘っても無駄のようだ。佳子は礼儀としてお礼を言った。
 そして好奇の目に晒されながら別室へと移動した。
 手にはタオルと男物の海パン。 
 海パンは初めて触ったが意外と生地は柔らかく、女子が履いても問題はなさそうだった。
(やるしかないか)
 彼女はそう決意しながら上着に手を掛けた


 5分後。
 着替えを終えた佳子は皆が待つ大部屋を戻ってきた。
 既に人も30人ほど集まっており一斉に視線を向けられた。
「へぇ」と感心するもの。
「それでやるの?」と不満の延べるもの。
 様々な声が聞こえた。
(言いたかったら勝手にいいなさい)
 下は海パン。上は首元にタオルを掛けた姿で佳子は現れた。
 タオルはただ両端が乳房を上を通っているだけなので、横から見れば乳房の形や乳首と言った恥ずかしい部分は丸見えだった。
 やはりバスタオルを貰えなかったのが致命傷だった。
 隠れている部分はあまりに少ない。それでも佳子にとってはわずかな慰めにはなった。
 
「ポーズは好きにとっていいですよね」
 佳子が有利な条件を取るために先手を打つ。
 しかし、案の定「駄目だよ。お姉ちゃん」とツッコミが入る。
 首を振りながら近寄ってくるのは例の少年だった。

「タオルは取らないわよ」
 無駄だと思いながらも手でタオルを抑えて必死に抵抗する。 
「取らないよ。むしろそのほうがお姉ちゃんの良さが出るし」
 少年の口からは意外な言葉が発せられた
 意味がわからなかった。必死に露出を抑えようとしている姿のほうがいいとは。

「校舎裏で全裸を見たとき思っていたけどお姉ちゃんってそんな巨乳じゃないし女の魅力に欠けるんだよね。陰毛も濃すぎだったしいかにも男性経験がない処女って感じで」
「な、何を言ってるの…」
 ナメられないように強気で話そうとするが、こんな子供に裸の感想を言われて上手く口が回らない
「だからお姉ちゃんの良さを引き出すには全裸よりも海パン姿がいいよ。海水浴場で今みたいに首からタオル掛けただけで歩く姿とかきっと絵になると思うし」
「そんなこと出来るわけないじゃない!!」
 思わず大声を出すが少年はひるまない。
「夏にはまだ早いし海岸に行っても人はいないからそもそも出来ないよ。はいこれ」
 玄関の棚の上に置いてありそうなツボを渡された。
 ツボは顔よりやや大きく片手で持っても疲れない程度の大きさだった

「このポーズとってよ」
 少年はスマホを掲げて1枚の絵画の画像を見せた。
 画像の説明にはドミニク・アングル『泉』と書かれていた
 詳細は知らないが、この絵画は佳子にも見覚えがある。
 支持されたポーズを見て内心ホッとした。
 これなら肩に置く壺でタオルを抑えられるからだ
「これでいいよね」
 佳子は左肩の上にツボを置き、右手を頭の上に通しながらツボを上を抑える。左手はツボの下。 
 元の絵画をほぼ完璧にトレースしたが

「あー、お姉ちゃん。ごめん。やはり『泉』はおっぱいぐらい見せないとカッコ付かないわ。皆におっぱいが見せようよ。ほらこうして」
 そんな願いをあざ笑うかのように祐太が右の肩にかかっていたタオルをずらす。
 すると当然のように右の乳房がむき出しになった
「あっ」
 和気藹々としていた空気が一瞬で張り詰め緊張が走った
 大量の視線が佳子に右乳房を集中した。
「○○だ……」
「へえ」
「初めて……えろ」
 誰もが小声で晒された乳房について語り始めていた
「ハイハイ静かに。準備が出来たので初めましょう。スタート」
 佳子が抗議を言う前に鈴木さんが開始の声を出すと一斉に絵を書き始めた。
 こうなるともう何も出来ない。ツボがあるためにタオルを元の位置に戻す動かすことすら出来ない。
 ただ右の乳房を長時間晒す以外の選択肢はなくなった。
 
 カリカリと鉛筆が走ることが聞こえる。
 もう何度も経験しているが、この時間は精神力との戦いだった。
 普段は隠されている部分に遠慮なくそそられる視線。
 もちろん、その中にはただの欲望の視線も含まれており、否応無しに今の状況に追い込まれた惨めさが体をかけめぐる
(くぅ……)
 彼女はプレッシャーに押しつぶされそうになっているのを感じた
 やはり今回のモデルは異質だった。
 右胸は露出しており下は海パンで隠されている。
 海パンは女子が履いてもその機能を見事なまでに発揮しており何一つ危ないところは見えない。
 こんな状態なら胸しか見ないと思いきや男性の視線は意外にも海パンに多く唆られていた。
 海パンを見て感心するもの。興味本位で見るもの。
 様々なものをあったが共通するものはどれもが性的な欲望が混ざっている。
 なぜこんな海パンに興味があるのか。女子の佳子にはわからないがこれだけはわかる
(これを平気で履いた2年生はやはり狂っている)
 やはり海パンは女子が履くものではないことを佳子は確信した。
 本来は上がない男物を着るというのは精神的に堪える。
 まるで上半身裸が普通になるような感覚。あまりに異常。
 自身の常識に傷つけられているような感じでもう1分たりとも履いていたくなかった。


 数時間後
「佳子ちゃん。綺麗だったよ。、またよろしくね」
「今度は全裸でお願いね」

 時間終了の合図とともに佳子は声から逃げるように別室へ走っていった。
 別室に入ると鍵を掛けて、憎き海パンを急いで下ろした。
 たったそれだけで全裸になるがそれでも海パン姿よりはマシだった
(ふーーー)
 大きく息を付いて心を落ち着かせようとすると、ガチャガチャと鍵がかかった扉を開けようとする音が聞こえた

「あれ?開かない。もう帰ったのかな」
「ちぇ、せっかくお姉ちゃんのオッパイを揉ませてもらえるはずだったのに」
「まぁいい。また機会があるからお前ら今回は我慢しろ」
「えー。お姉ちゃんの裸を見せてくれると言ったじゃない」
「すまんすまん。こんなに早く帰るとは思わなかったわ。あの女の全裸は今度見せてやるからな。もちろん乳首やらアソコやらも触らせてやるから楽しみに待っていろ」
「はーい。約束だよ。じゃ遊びに行こうや」

 バタバタと子どもたちの足音が聞こえて去っていく
 どうやら良からぬ計画があって、その危機を偶然回避したようだ

 佳子は服を着直し、帰り支度を終えた。
 だが部屋の外にはいかない。まだ公民館には複数の人の気配がある。
 乳房を見せた直後に会いたくなかったからだ。
(裕太か……)
 一見するとただの子どもである。話術に長けた彼女からすれば恐れることは何もないはずなのに、なんとも言えない不気味さを感じた。


もう一度、してみたい。もう一度、してみたい。
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