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喜美刑務官の額から汗が流れ落ちる。
愛も苦しいだろうが、やる側にも相当な神経を使っている
とくに刑務官の経験が浅い彼女にとって他人の性器の奥まで探るプレッシャーは計り知れない
指が愛の襞肉をかきまわすように円を描く。
異物を探るだけの決められた動きでしか無いが、やられる側はたまったものじゃない。
それを裏付けるかのように突然、愛の体が崩れ落ちる。
「え?」
喜美は驚きながらも倒れ込む直前に指を抜いた。もし入れたままだと事故にも繋がりかねない危険なタイミングだった
心配そうに駆け寄る喜美。すると愛は「大丈夫よ」と言って立ち上がる。
「えっ、えっと」
喜美の顔に困惑の表情が浮かぶ。
愛は体を一切隠さず。まるで見せつけるかのように体を接近させてきたからだ。
迫る裸を前にして喜美が後ろにさがる
まだ新人の彼女にとって他人の裸はそこまで見慣れていない。
そもそも、あまり見ないように心がけていたのだ。
愛のような女性でもめったに見られるものじゃない美しい裸体に迫られて、戸惑いを感じるなというのが無理だった。
姉の側で見ていた神崎刑務官がすかざす駆け寄る。
「2番。そのぐらいにしておけ」
神崎がそう言うと愛はニコリと笑う。
「あら、ごめんなさい。あまりに可愛いものでつい。」
「……」
神崎は厳しい顔をしながら、無言のまま指を下に向けた。
一瞬。ほんの一瞬だけ愛の顔に憎悪が浮かぶ。
「はいはい。わかっていますわ」
何事もなかったように愛は頭を床に付けお尻を持ち上げる。
先程と同じく自分でお尻を開く完全服従の姿。
神崎が四つん這いになった愛の割れ目に手をかける。
大陰唇が開かれ、やや黒ずんだ色の薄肉が顕になる。
また2本指検査をやるのか。そう誰もが思ったが神崎はなぜか動かない。
すると間もなくして愛の太ももに一筋の透明な体液が流れ落ちた。
「まあいいだろう」
2本指検査がきちんと行われた証拠を確認した神崎は手を離す。
(ひ、酷い)
姉には今の検査確認の残酷さが痛いほどわかった。
姉自身もガラス棒検査によって濡らしたことが何度かあったからだ。
もちろん膣分泌液が出たからといって検査を喜んているわけではなく、ただの体の自動防御本能でしか無い。
それでも自分の意志に反して濡らしてしまうことは屈辱であり恥でしか無かった。
ましてや、それを他人に確認されるなんて考えただけで頭がまっ白になった。
「ええっと私……」
少し放心状態の喜美刑務官。先ほど愛に迫られて相当参っているようだ。
そんな彼女に対しても神崎は甘い態度を見せない
「何をしているの。次はガラス棒検査でしょう。早く初めなさい。使う棒はE3」
「は、はい!!」
喜美は大声で返事をし机の上にある金属トレイに置かれたガラス棒を手に取る
(ひぃ)
ガラス棒の全体を見た姉は体に悪寒が走った。
ガタガタと足が震え、顔色を真っ青になっていく。
喜美刑務官が持ったガラス棒は普段使われているものとは違っていた。
特徴的な一回り太く長めのガラス棒。
そう。姉にとってこのガラス棒は決して忘れられないものだった。
あれが彼女の体に初めて使われたのは先週。
ジャーナリストとの取材中に杉崎刑務官が使ったのが、このE3ガラス棒だった。
E3と呼ばれるガラス棒は姉の肛門を普段以上に広げ、かつて経験がないほど体の奥の奥までえぐっていった。
あの時の感触を思い出すだけで姉は吐き気がした。
非人道的。普通の人間なら一生体験することがない苦しみ。
そんな悪魔の品物がまた目の前に現れた。冷静になれと言うのが無理だった
「E3とは穏やかじゃないわね。いつからここは刑務所になったのかしら」
愛が普段はあまり聞かない挑発的な声を出す。
このガラス棒は刑務所で採用されているもので、本来拘置所にあるはずのないものだったからだ。
「私が上に掛け合ってようやく先週から採用されたものよ。猛獣を長期間飼うには必要なものでしょう。ほら喜美刑務官、なに突っ立っているのですか。早くやりなさい」
「で、でもこんなの使ったこと無い…」
完全に喜美はパニックになっていた。
やった経験が少ないガラス棒検査。しかもこんなサイズをあの恐れられている愛にやれ。
出来るはずがなかった
「覚悟を決めなさい。E3検査を一度もやったことがないのはもうあなただけです。杉浦刑務官なんて採用初日から使ったと報告してきたのにあなたは逃げてばかり」
(そういうことなのね……)
姉は悔しそうに固く唇を噛みしめる。
今の話を聞いて先週に自分の身に起きた理不尽な検査の理由をようやく理解した。
あの時、杉浦は新しく採用されたガラス棒を使ってみたかっただけだったのだ。
篠原はあのサイズ選びを流石と評価していたそれは違う。
玩具を買ってもらったばかりの子供のように遊びたかっただけ。
だからこそ、あんな些細なことに怒って、あれほどの苦しみを与えるガラス棒検査を平気で行った。
喜美刑務官がおそるおそる愛に近づく。
手にはあのガラス棒。杉浦がやったことを今度は喜美がやろうとしている。
杉浦の行為はとても許されることじゃない。
だが、ここに囚われている限りそれを拒否することは出来ない。
刑務官の気分しだいで裸にされ、ガラス棒を突っ込まれる立場なのだ
その現実を見せつけるかのように、愛の肛門にガラス棒の先端が触れた。