ヌードモデルに選ばれた姉


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「ふふ、心配しなくてもいいわよ。もう何人もの生徒の毛を剃ったけど失敗は一回もないわ」
 そんなことを言われても安心が出来るはずがない。
 佳子は恥ずかしさと恐怖のあまり、足を閉じようとした。
 その瞬間を狙ったように、白鳥の右手が素早く動く。
 佳子の股の中心部からパシーン!という鈍く、何処か水っぽい叩き音が鳴った。

 「かっ……っは」の悲鳴とともに力が失われる。支えがなくなった佳子の足は再び大きく開かれた。
 彼女には股間から広がる痛みの意味がわからなかった。
 目から火花が出るような衝撃の正体を知ろうと頭を上げる。
 すると、手のひらに残る感触を味わうように、ニヤニヤしながら白鳥が佇んでいた

 今、何をされたのか悟ると佳子は「なにするのよ!!」と大声で言った。
 当たり前の反応だった。白鳥は女がもっとも守るべき部分を容赦なく平手で叩いたのだ。

「ヌードモデルの身体を傷つけるわけにはいかないんだから仕方がないじゃない。そこなら外から見えないから大丈夫でしょう」
 確かに白鳥の平手は佳子の太もも部分を一切触れていない。赤くなっている部分も皆無だった。
 しかし裏返せば、先ほどの平手打ちの衝撃は全て佳子の女と言える部分に全て吸収されたとも言えた。

「へへへ。ぴくぴくしていらぁ」
 ずっと、佳子の中を見続けていた副部長がいう。
 先程よりも口が開き、より赤みが増した部分に興奮しているようだ。

「ちょっとやめてよ」
 羞恥に駆られた佳子が顔を真っ赤にして怒る。
 副部長に言われるまでもなく、佳子は自分のあそこがみるみるうちに変化を起こしているのは感じ取っていた。
 まるで、男を欲しがるかのように。
 もちろん、それはただの生理現象でしかないことは、頭では理解している
 大事な部分を叩かれ、男の視線がねちっこくあそこを凝視している。
 そんな異常な状態に置かれて、身体が反応しないはずがない。

「ほら、面白いからもっとよく見なさい。あなたは佳子のあそこを見た初めての男なんだから遠慮することはないわ」
 白鳥は副部長を焚き付けた。
 同じ女である白鳥はもちろん佳子の体の反応の理由も意味もわかっている。
 それでもあえて佳子のあそこの変化を副部長に確認させようとした。
 それは好きでもないクラスメートの男子に、女が最も隠すべき女性器を見られ、生理現象まで見られた事実を佳子の心に刻みつけようとする行為に他ならなかった。

 じーー。その期待に応えるかのように、副部長は目を皿にして佳子のあそこを見る。
 赤く染まった二枚の花びらが半開きのように口を開けている。
 中に広がる鮮やかなピンク色の壁は、先ほどよりも水分が増したように輝いていた。

「あああ……」
 自分のあそこに男の熱い視線を感じた佳子は切なげな声を漏らし、内腿をわなわなと震わせた。
 白鳥はそんな混乱している佳子に追い打ちを掛けるかのように、また冷たい液体ムースを陰部目掛けてかけ直す。
「きゃっ」
 あまり聞き慣れない佳子の可愛い声がした。

「ほら、動かないで」
 と、言いながら白鳥は無尽蔵に広がっている陰毛にムースを塗る。
 こんもりした割れ目をなぞるように液が伸ばされていく。
「あっ」
 敏感なところを圧迫され、思わず佳子の口から甘い声を漏れた。
「あら、気持ちよかった。ごめんなさいね」
「そ、そんなわけないじゃない……」
 白鳥の発言を否定するかのように佳子は白鳥の気丈にも反論する。
 しかし、その声は心細そうで小さい。なぜなら身体が反応しているのは疑いようもない事実だったからだ。

 大きな抵抗が無いことを確認した白鳥は外側の繊毛のほうから剃り始めた。
 ゾリゾリと何とも言えない音が響き、濃い毛が根元から剃られていく。
 佳子は剃られたところから、なんとも言えない涼しさを感じた。
 それはまるで毛が剃り取られた皮膚から冷たい空気が入ってくるような感触だった。

「相変わらず、上手いもんだな」
 副部長が感心したようにいった。
 確かに白鳥のカミソリは濃い毛にも負けずにスイスイと動いていた。
「もう四人目だしねー。こんなところを剃るのも慣れたわ」
 佳子の膣の中に白鳥の指先が入る。
 すうーと内部の壁を円状になぞるように指が動く。
「ひぃ」
「おっと今から大事なところを剃るから動いたら駄目よ」
 白鳥は佳子を大陰唇を大きく開き、その中めがけて液体ムースを流し込んだ。
 濡れに濡れた唇の内側に冷たい剃刀の刃を当てる。
 佳子の身体に寒気が走る。
 恐怖にかりたたえながらも彼女は冷たい刃の感触にじっと堪えた。
 すーすー。再び恥毛を剃る音が響く。
 しかしその音は先程とは違い、小さくなめらかなものだった。

10分後
「はい、おわったわよ」
 白鳥は濡れたタオルで佳子の下半身を綺麗に拭きとった。
 その顔には満足そうな笑みが見える

 佳子はゆっくりと起き上がり、恐る恐る自分の股間を見る。表情が凍りついた。
 すっかり刈り取られた割れ目は、まるで子供の頃を思い出すようなツルツルの肌をしていたからだ。
 だが、決定的に形が違っていた。
 毛を失った大陰唇はこんもりと盛り上がり、色も他の皮膚とは違って少し黒ずんでいた。
 しかも、その割れ目からピンク色をした具がはみ出しているおり、なんともグロテスクに見えた。
 その時、彼女は初めて悟った。
 ただ表面を剃られただけではない。敏感な小陰唇の周りはもちろん、クリトリスの近くにまであった薄い毛まで綺麗に剃られてしまったことに。
 それはそれだけ佳子の女と呼べるものが、白鳥によって徹底的に蹂躙された証。
 佳子は自分の変わり果てた股間の有様を無言のまま見つめていた。

「どう。感想は?」
 白鳥が挑発するような話す。
「……絶対に許さない。必ず同じ目に合わせてやるわ」
 まるで決意表明のように力強く佳子が言った
「同じ目って佳子が私を裸にしてあそこの毛を剃るの? まあ怖い」
 白鳥はおかしくてたまらないと言わんばかりに笑った。
「私が冗談を言ったことある?」
「ふふ、そうね。これは私とあなたの殺し合いだったわね。ここまでうまく行きすぎて忘れていたわ」
 そう言いながら白鳥はパソコンのマウスを操作し一枚の画像を表示させた。

「うっ……」
 佳子は思わず生唾を飲み込む。
 ディスプレイに現れたのは、佳子が全裸で直立不動をしている画像。
 先ほどの壁紙とは違い、悲痛に満ちた顔も全て写っていた
「この写真、覚えている?ほら初めてのヌードモデルが終わってからここで撮ったものよ」
「それがどうしたの」
 もちろん覚えていた。
 全裸のまま、身長を測るラインが書かれた壁の前に立たされて、撮影された屈辱を忘れるはずがない。
 あの時浴びたフラッシュの感触は、今でも肌に刻み込まれていた。
「他の画像はやばすぎなので強い閲覧制限がかかっているけど、この写真だけは美術部3年の管理下に置かれるぐらいの制限しかかかっていないんだよね」
「だから、なにがいいたいのよ」
 自分の全裸写真が、美術部員たちの間で好き勝手に見られて、玩具になっている。
 確かに許しがたい話ではあるが、壁紙に使われている事実を見せられたあとでは、さほどの驚きはなかった。

「この画像、お前の弟も持っているぜ。俺が渡したら喜んで受け取ったからな」
 何故か自慢っぽく副部長が言う。
「え?」
「ふふ、驚いた?もうこれで分かったでしょう。あなたに味方なんて誰もいないし反撃なんて不可能ってこと……」

「言いたいことはもう終わった? 帰るからそこどいて」
 佳子はベッドから降り、制服を整えた。
 確かに副部長が言ったことは驚いた。
 弟が自分の全裸写真を持っているなんてまったく聞いていなかったからだ。
 もし、これが本当だとすれば許しがたい裏切り行為。
(でもだからなんなのよ)
 そう。彼女は最初から弟の力を借りる気はない。弟が自分の全裸写真で何をしようと関係ない話だった。

 佳子が部屋から出て行こうとすると背後から白鳥の声が聞こえた。
「さよなら。また明日の朝、教室で会いましょう」
 それはクラスメートとしてありがちな別れの言葉。
 しかしその言葉の裏には、明日教室で下着検査が行われるという耐え難い現実が含まれてきた。

「佳子、またな」
 続いて副部長が異様に馴れ馴れしい言葉を放つ。
 その声を聞き、佳子が思わず振り向く。副部長と視線が重なる。
 すると、彼女の顔がみるみるうちに真っ赤に染まっていった。
 それは自分の大事なところを奥の奥まで初めて直接見た男に対する女の本能的な弱みなのか。それとも怒りのためなのか。

「ふん」
 様々なプレッシャーを払いのけるように佳子は軽く首を振り、美術室の扉を乱暴に開け、廊下へと出た。
 既に時間か遅いためか、廊下には人の気配が感じられない。
 佳子は静まり返った廊下を歩きながら、そっとスカートの中に手を入れた。
 すべすべの感触に表情が曇る。
 これはヌードモデルに選ばれた生徒に行われる儀式だと白鳥は言った。
 確かにこんなことされれば全てを諦め、学校のいいなりになるのもうなずけた。

(でもね)
 焼き印を押された奴隷が一斉に蜂起したように、人は押さえつけられれば反抗する生物であることを佳子は確信していた。
 そして、このヌードモデルの証である焼き印こそが、現状を突破する鍵になりえることも。


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