入院生活の日常


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 朝食が終わり数時間がたった。
 時間は10時を超えている。
 通常なら外来の診察が行われているころだった。

(今日は診察ないのかな)
 これだけ待っても朝の診察はない。
 朝の診察がないということは、次の主治医も来ない。

「ふう」
 優奈は安堵の息を吐く。
 今日は朝っぱらから新しい男性看護師に胸を見られており、これ以上肌を晒す気分にはどうしてもなれなかった。
 もちろん、治療のため必要なことなのは理解しているが、脱がずに終わるならそれにこしたことはない。

 優奈は安心して手元に置いてあった本を読み始める。
 検査のない1日。なんて素晴らしいだろう。
 気分良く鼻歌を歌っていると突然、扉が開いた。

「おはようございます」
 やって来たのは40歳過ぎの女性医師。
 そして後ろから若い女子二人も続く。

(あ、やっぱりあるんだ)
 優奈は診察が行われることにガッカリしながらも、女ばかりのメンツに気分が幾分か楽になった。
 女性だから見られて平気というわけではないが、それでも男性がいるのとはまるで違う。
 
「えっと、新しい主治医なのですか」
 今日から次の医師が決まると聞いていた優奈が質問をした。

「いえ、呼ばれただけなので臨時です。普段は産婦人科を担当しています」

 ややきつい感じがする女医は淡々と答えると他の2人も続いた。

「始めまして、加野秋。医大生です」
「うい、松森才子。同じく医大生」

「そうなのですか。わざわざ手間を掛けてすみません……って学生2人に産婦人科?」
 嫌な予感がした。
 より深く女の体を暴く産婦人科が来たことに彼女は強い不安を感じた。
 むろん産婦人科が来た理由は分かる。
 未だに寝たきりの彼女にとって下の処理は全て人任せだったからだ。
 尿管に人工物である管を入れられていれば、それだけ性器内の感染症リスクも上がる。
 病院としては予防的な検査をするのは当たり前ではあったが……

「あ、学生と言っても私がきちんと指導しますので心配しないでください」

「は、はぁ」
 優奈は不満げに俯く。
 本音を言えば学生なんて勘弁してほしいが、この病院に入院している以上それは仕方がなかった。

「今日は初診なので内診から初めます。加野さん。松森さん。検査着を脱がせて仰臥位。足は肩幅」

(ないしん? ぎょうがい?)
 どんな検査なんだろうと質問する間のなく、加野と名乗った大人しそうな学生が優奈のパジャマに手を掛ける。

「ごめんね」
 加野は優しく優奈の耳そばでつぶやく。
 どうやらこんな形で裸にされる優奈の立場を不憫と思ってくれているようだがやることに変わりはない。
 あっさりと全裸にされる。 
 ごくんと優奈の喉が鳴る。
 女性3人の視線が乳房のふくらみに集まり、そして割れ目に集中するのを感じた

「松森さん。モタモタしない。早く用意して」
 女医がテキパキと指示を出す。

「まったく。面倒くさいな。こんなの看護師の仕事じゃないか」
 松森の名乗った柄の悪い学生はあからさまに不満そうな顔をしながら優奈の腰の下に防水シード引き、足を開かせようとする。

「やだっ」
 何回やられても全裸のまま足を開くなんて慣れるはずない
 優奈はいつものごとく咄嗟に動かない足を閉じようとするが。

「はいはい。ちゅこし我慢しましょーね」
 松森は赤ちゃんを宥めるような態度を取りながら強引に足を開かせる。

(なっ)
 学生のあんまりな態度に優奈は怒りを感じた。
 今までも理不尽なことはあったが、赤ん坊扱いされる筋合いはない。
 抗議の声をあげようとするが。

「松森さん!! なんですか、その態度は。謝りなさい」
 優奈より先に女医の雷が落ちた。

「すみませんでした」
 松森は渋々頭を下げた。
 女医からは見えないが凄い目つきで睨んでいる。
 敵意を向けられた優奈は咄嗟に「いえ、いいですから」と庇ったが思いは通じない。
 松森は「ちっ」と一度舌打ちをする。
 むかっと来た優奈も相手を睨みつけるが、松森はそれ以上何も言わずに他の作業を初めた。

 学生2人が準備を進める。
 加野がお湯を洗面器に入れ、タオルを用意した

(これって……まさか)
 2人の様子を見ていた優奈の顔色が変わる。
 何度かやられた性器清浄の手順に似ていたからだ。


 用意が終わると女医たちは優奈の足元へと集まる。

 下からのぞき込まれたのを感じ取った優奈の顔がぼっと真っ赤に染まった。
 今の彼女は膝を立てたまま足を開かされている。
 下から見てば全てが丸見えなのは考えるまでもなかった。

 女医がペンライトを持ちながら優奈の女を開けた。
 鋭い視線が性器の中へと注がれる。
 優奈のものは一見すると何も問題ないように見えた。
 陰核、膣入口はもちろん残酷な冷たいカテーテルが入れられている尿道口も綺麗なピンク色の壁で炎症らしきものは見当たらない。
 普通ならあるはずの恥垢すら見えなかった。
 これは看護師が、この女性器をきちんと監視して処置している証でもあった。

「あなた達はこれをどう思いますか」
 女医が後ろから覗き込む学生に向かって言う。

「問題はまったくないと思います」
 大人しい方の加野が自信満々で答えた。

「膣入口の赤みを考えると膣内の浄化作用が低下しているんじゃね」
 柄の悪い松森は乱暴な口調で答える。

 答えを聞いた女医がボソリとつぶやく。

「0点。60点。まだまだだね。まぁ看護師も見落としているし学生にそこまで期待するのは酷か」

 女医の手元が動く。
 すると優奈の体がビクンと大きく飛び跳ねた。

「あっあ、やめ、やめて」
 堪らず助けを求める優奈。
 女医の人差し指が中へ入れられたのだ。
 指は腟口の肉のこじ開け、処女膜の僅かな隙間をくぐり内部へと到達していた。 細心の注意が必要な検査だと言うのに電光石火の早業だった。
 女医の高い技術が伺えた。

「あう、ああぁぁ」
 指が腟の壁をなぞるように擦られたその瞬間、優奈の体に電気が走ったような衝撃がかけめぐり、額に脂汗がにじみ出る。
 今、何をさせているのかも理解できない。
 ただ触れてはならない恥ずかしい部分を調べられている感覚だけ残る。
 これまでも性器検査はあったが、こんな中までふれられることはなかったからだ。
 それはソコが看護師の範囲を超えた医師の領域であることを意味していた。

 女医の指が更に奥へと進み、第二関節を通り過ぎる。
(いやぁぁぁぁ!)
 声にこそ出さないが、優奈の心は悲鳴を挙げていた。
 今まで感じたことがないデタラメな性的信号が体中をかけめぐる。
 その間も女医は検査を止めない。
 左手で優奈のお腹を抑え、外と中から挟み込むようにして子宮や卵巣の状態を調べていた。

「ふむ。やっぱりね」
 女医がそう言いながらゆっくりと指を抜いた。
 狭い腟に入れられた圧迫感が無くなると優奈の体から力がどっと抜ける。

「はぁはぁ」
 息も絶え絶えになりながら、優奈は呆然と天井を見ていた。
 これまでもキツイ検査はあったが、今回みたいな検査は記憶になかった。
 本人ですら知らない女の体の秘密を暴かれたような感覚。
 やられたこと全てが優奈にとっては未知の領域だった。

「では、加野さん。やってみなさい」
「はい」

 優奈はぼんやりした意識の中で女医たちの会話を他人事のように聞いていた。
 やってみなさい?。なにを? 会話の意味がつかめない


「◯◯の部分に◯◯があるからよく見るように」
 女医がペンライトを学生の加野に渡す
 加野は恥ずかしそうに優奈の性器に触れた。

「あ、」
 指の冷たさに優奈の体と心が震える。
 それと同時に先程の会話の意味をようやく理解した
(やるって今度は学生がやるってことか……)
 そして再び性器を開けられる感覚。

「見えたかね」
 女医が言う。
「はい。腟口の近くに軽度の炎症が確認できます」
 
「よろしい。次は内診。人差し指で慎重に。この患者は◯◯だから上の開いた部分からやるように」
 加野がおそるおそる指を入れた

「ひぃ、痛ぁぁ」
 いきなり股間に鋭い痛みが走り優奈の意識が覚醒する。
 手順は女医と同じ。触られているところも同じだが苦痛の度合いはまるで違う
 その時になって、ようやく女医の腕の良さを理解した。
 学生とプロの医師では同じ検査でも患者に与える痛みはこここまで差があるのだと。

「加野さん。今すぐ検査を止めなさい」
 痛がる優奈を見た女医がすかさず中止の指示を出す。

「ああ、私なんてことを。すみませんでした。すみませんでした」
 真っ青な顔をした加野が女医と優奈に対して何度も頭を下げた。

「き、気にしないで」
 あまりにも低姿勢な加野の態度を見た優奈はなんとか笑顔を見せて相手を安心させた。
 もちろん、恥ずかしい思いをさせられて痛みまで与えられたんだから、怒っていないわけではない。
 でも、この学生は真剣に医学に打ち込んでいるのもわかった。
 患者の気持ちも考えながらやってくれている。
 そう。もう1人の学生とは違う。

「松森さん。あなたの番です」
「ういっす」

 優奈が不信感を持つ学生が返事をした。
 あんな適当で、いい加減な学生が自分の性器を見て中に指を入れる。
 恥ずかしさよりも屈辱感が彼女の心を支配した

 松森がニヤニヤしながら優奈の顔を見る。
 先程、揉めた相手の大事なところを今から好き勝手に侵略することに喜びを感じているような顔つきをしていた。

「ふん」
 優奈は顔を背けてふてくされた。
 彼女は思う。この学生は嫌と言っても女医は聞いてくれないだろう。
 ならやらせるしかない。でもミスがあれば大声で抗議してやると。
 

 松森の指が優奈の性器に触れ、ピンク色の秘唇を左右に大きく割った
「うっ」
 朝から四回目の秘唇開き。
 看護師、女医、学生2人。誰にやられてもこの感覚は全く変わらない。
 女として見せてはいけない無防備なものを見られる喪失感。

 そんな開かれた性器を松森はジロジロと眺めながら独り言をボソリと言った。

「しかし顔もあそこもこんなに可愛いのにまだとは真面目だねぇ。そのせいでこちらは大変だわ」

 松森の暴言を聞き、優奈の頭にふと幼馴染の姿が浮かぶ。

(もし櫻井と恋人同士になっていたらこんなことやったのかな)
 そんな思いを打ち砕くように指が入れられる。
 女の体の防衛反応なのか。先程から散々イジられた優奈の中は粘液が濡れており、松森のやや太い指を苦無く受け入れた。

「あ、あっ、かはぁ」
 指は奥へ奥へと入って行く。
 今度は痛みがない。あるのは圧倒的な恥辱と欲しくない未知の感覚

 松森の指が止まる。

「ふう。ざまーみろと言ったらまた怒られるか………ん?」 
 先程の八つ当たりというわけでもないだろうが、松森の指は女医をやった時よりも深く根本まで入れられていた。

  「んっんぁ……あぅぅ。やだぁ……」

 優奈は与えられた辱めに耐えようとしていたが限界があった。
 産婦人科に性器を調べられて中にモノを入れられる。
 女性ならいつかは味わう苦痛ではあったが、性経験も人生経験も足りていない彼女にとって、この検査はあまりに早すぎた
 ましてや仲違いした年齢も離れていない学生の指で女の急所を蹂躙されたとあっては事前の覚悟なんて軽々と吹き飛ぶ。
 ふざけた生徒に文句を言う考えはとっくに彼女の頭から消え去っていた。
 
 松森が指で感触を確かめながら真面目な声で女医に質問をする。

「先生、これって」
「わかればよろしい。検査を終わせなさい」

 目を瞑って恥辱に体を震わせていた優奈は知らなかった。
 ずっといい加減だった松森の表情が真剣になっていたことを。

 意味深な会話がなされ、松森は指を抜いた
「あう」
 優奈の膣口がゆっくりと口を閉じる。
 内部まで伝わっていた外気の冷たさを感じなくなり彼女の体から力が抜ける。
 そう。これで全ての検査が終わったのだ。
 優奈はきちんとパジャマを着せられ普段と変わらない姿に戻った。

「炎症が見られますので明日から抗生物質の点滴をやりつつ少し様子を見ます」
 女医が説明をし、優奈は軽く俯いた
 もう、声を出す気力もなかった。

「お大事に。さて、お二人さん」
「はい」

 女医に睨まれた学生が緊張した顔を見せる。

「松森さんは今日も完璧でした。流石と言えるでしょう。でも患者への態度が悪すぎます。あと加野さん。アナタはいつもいつもなんですか。これでは合格はおろか1からやり直して……」

 話をしながら病室を出ていく3人。
 人は見かけによらない。真面目で優しそうな学生が劣等生でチャラそうな乱暴者が優等生だったのだ。


 誰もいなくなった病室。
 優奈の手がそっと下半身にふれる。
 痛みはない。噂通りこの病院の技術は完璧だった。
 たとえ下手くそな学生がいても、きちんと監視指導されている
 間違って体を傷つけるなんてことは考えられない。
 事実、腟の内部検査が行われても、彼女の性器は前と何ら変わりなかった。

(でも……)
 優奈の瞳から一筋の涙が零れ落ちている。
 本来は愛すべき男のために取っておくべきものを失った悲しみに打ち震えた。
 もちろん、今回やられた検査は男女の性行為とはまったく違う。
 実際に性的な行為は一切なかった。マニュアル通りの検査でしか無い。
 それでも彼女の体は叫んでいた。
 2人の女に経験させられたと。


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