校舎に授業終了を告げるチャイムが鳴り響く。
「お、もうこんな時間か、今日の授業はここまで。みんな気をつけて帰れよ」
数学の男子教師は1年3組の教室から出て行った。
教師がいなくなると教室内の張り詰めた空気が無くなり、生徒たちは一斉に家宅準備を始めた。
「あー、ようやく終わった。早く帰りてぇ」
1年3組の男子生徒、福留隆はいかにも疲れた表情を見せ手を伸ばす。
勉強が苦手というわけではないが、それでも一日の授業は疲れを貯めるのに十分だった。
「でも、お前は部活があるからすぐ帰ったら駄目だろ」
後ろの席の友人が隆に声をかける。
「あー、そっか。今日は部活に行く日か。かったりぃ」
嫌な現実を聞かされ隆は肩を落とした。
美術部から色々と美味しい話を聞かされて軽い気持ちで入部したはいいが、予想以上のハードスケジュールにウンザリしていた。
「そもそも小学生の頃に少し絵を習っただけのお前が美術部なんかに入るからだ。とうの昔に絵の興味は無くなっていたんだろ」
「だってよ。あのイベントを見せられたら入りたくなるよ」
「イベントと言うと例のヌードモデルか。確かに魅力的だな。お前はうちのクラス委員長の裸も見たんだろ?」
友人は周りを気にし小声で言う。
委員長がヌードモデルに選ばれて裸になったことはクラスの公然の秘密になっていた。
誰もこのことをおおっぴらに話そうとしないし、委員長も何も語らない。
しかし委員長の落ち込んだ態度。先日張り出された委員長によく似たヌード絵。
数々の状況証拠が委員長がヌードモデルになったことを物語っていた。
「ちょっと耳貸せ。委員長の裸はな。胸もでかくて最高だったぞ。ここだけの話、委員長は下の毛が生えていないんだぜ」
隆は当時のことを思い出しながら友人の耳側で呟く。
今でも委員長の裸は隅々まで思い出すことが出来た。
「かー。メガネで委員長で巨乳。でも下はツルツルかよ。くそ、羨ましい。俺も見てぇ」
委員長の生々しい秘密を聞いて羨ましがる友人。
「ははは。せいぜい悔しがれ。俺の書いた下手っぴな裸婦画でも見て委員長の裸を想像していろ」
隆は仲がいい友人相手に冗談交じりに話したが、心の何処かでなんとも言えない不安を覚えつつあった。
不安の理由はわかっている。
それは先ほど廊下で美術部の女部長とすれ違った際に言われた意味深な一言。
「姉の裸を見せてあげるね」
美術部の女部長は廊下を歩く隆に近づき、耳そばでそっと呟いた。
隆にはなぜ部長が突然自分の姉の話を言い出したのかわからない。
だが、なにか良くないことが水面下で進行している感じがした。
「お、もうこんな時間か、今日の授業はここまで。みんな気をつけて帰れよ」
数学の男子教師は1年3組の教室から出て行った。
教師がいなくなると教室内の張り詰めた空気が無くなり、生徒たちは一斉に家宅準備を始めた。
「あー、ようやく終わった。早く帰りてぇ」
1年3組の男子生徒、福留隆はいかにも疲れた表情を見せ手を伸ばす。
勉強が苦手というわけではないが、それでも一日の授業は疲れを貯めるのに十分だった。
「でも、お前は部活があるからすぐ帰ったら駄目だろ」
後ろの席の友人が隆に声をかける。
「あー、そっか。今日は部活に行く日か。かったりぃ」
嫌な現実を聞かされ隆は肩を落とした。
美術部から色々と美味しい話を聞かされて軽い気持ちで入部したはいいが、予想以上のハードスケジュールにウンザリしていた。
「そもそも小学生の頃に少し絵を習っただけのお前が美術部なんかに入るからだ。とうの昔に絵の興味は無くなっていたんだろ」
「だってよ。あのイベントを見せられたら入りたくなるよ」
「イベントと言うと例のヌードモデルか。確かに魅力的だな。お前はうちのクラス委員長の裸も見たんだろ?」
友人は周りを気にし小声で言う。
委員長がヌードモデルに選ばれて裸になったことはクラスの公然の秘密になっていた。
誰もこのことをおおっぴらに話そうとしないし、委員長も何も語らない。
しかし委員長の落ち込んだ態度。先日張り出された委員長によく似たヌード絵。
数々の状況証拠が委員長がヌードモデルになったことを物語っていた。
「ちょっと耳貸せ。委員長の裸はな。胸もでかくて最高だったぞ。ここだけの話、委員長は下の毛が生えていないんだぜ」
隆は当時のことを思い出しながら友人の耳側で呟く。
今でも委員長の裸は隅々まで思い出すことが出来た。
「かー。メガネで委員長で巨乳。でも下はツルツルかよ。くそ、羨ましい。俺も見てぇ」
委員長の生々しい秘密を聞いて羨ましがる友人。
「ははは。せいぜい悔しがれ。俺の書いた下手っぴな裸婦画でも見て委員長の裸を想像していろ」
隆は仲がいい友人相手に冗談交じりに話したが、心の何処かでなんとも言えない不安を覚えつつあった。
不安の理由はわかっている。
それは先ほど廊下で美術部の女部長とすれ違った際に言われた意味深な一言。
「姉の裸を見せてあげるね」
美術部の女部長は廊下を歩く隆に近づき、耳そばでそっと呟いた。
隆にはなぜ部長が突然自分の姉の話を言い出したのかわからない。
だが、なにか良くないことが水面下で進行している感じがした。