1時間後。
佳子の表情は変わらない。視線を合わせてきた生徒を睨み返している以外は殆ど表情を変えない。
羞恥のためか体の色こそ赤く染まっているが、最初に言われたポーズも全く崩していない。
望まない事とはいえ、一度引き受けたことは完璧にやり通す、彼女のプライドがなせる技なのか、
他の生徒だったら、体力の限界が来る一時間の壁も物ともせずに佳子は裸体ポーズを取り続けた。
部員は佳子の下半身部分を書きながら、ニヤリと笑う。
佳子の心は胸を晒そうが陰毛を晒そうがなかなか折れない
しかし佳子の頑張りがまったく無駄であることを部長はよくわかっていた。
そしてその瞬間が近づいていることも。
「今日はこれで終わりです。佳子には作って欲しい資料があるので後で別室まで来てください」
終了の掛け声が聞こえると佳子は急いでバスローブを掴み、素早く着た。
先ほどまで晒されていた美しい裸がローブに隠れると、落胆とも言えるため息な雰囲気が教室を覆う。
部長と他3人の上級生に連れられて佳子は別室へと移動していく。
教室に残った他の3年生達は連れられていく佳子の姿を見てニヤニヤと含みのある表情をしていた。
作業が終わるとモデルは別室に連れて行かれる。
これは例外なく必ず行われる作業。
普段は特に気にしなかった先輩たちの謎の行動だが、モデルが自分の姉となると、今何が行われているか隆は心配になっていた。
10分ほど経つと部長が戻ってくる。佳子の姿はない。
「では後始末はB班がやっててください。今日はお疲れ様でした。解散」
部長の声を聞き部員たちは一斉に帰り支度を始めた。
隆は急いで部室から出る。
別室に行き、姉を探したがいない。
隆は部室に戻り、帰り支度をしている部長に声を掛けた。
「部長、姉さんがどこに行ったかしりませんか」
「もう帰ったわよ。色々とショックなことあったから家で慰めてあげてね。あと、実の姉をおかずにしたら駄目だよ」
「そ、そんなことするわけないじゃないですか」
「本当は姉の裸を隅々まで見られて嬉しいくせに。顔に書いてあるわよ。ははっ。じゃーねー」
上機嫌な部長は笑いながら部室から出て行った。
隆は誰もいなくなった部室で一人立ちすくんだ。
―――俺が姉の裸が見られて喜んでいる? いや、そんなことは無い。実の姉があんな目にあって喜ぶはずがない。無いんだ……
--------------------------------
隆は急いで家に帰った。
玄関を開けると佳子の靴があり、隆はほっとした表情を見せる。
「姉さん、帰っていたんだ」
あんな姿を見てしまった直後にどう接すればいいのか分からなかったが、隆は姉の無事な姿が見たくて居間へと移動した。
居間には佳子がなにか難しい顔をしながら座っていた。
佳子は隆の姿を見るとすかさず立ち上がり隆の前に立つ。
そして怨みを篭った目で、
「あのことしっていたの?」と言った。
「?」
隆には何のことだかわからない。
姉は本気で怒っている。何のことだかわからないが姉を慰めるつもりで、
「気にするなよ。もう終わったことだろ」と言った。
「やはり、しっていたのね。なぜ教えてくれなかったよ。あんな事されるんだったら絶対引き受けなかったわよ。あんたなんて大嫌い。出て行って」
佳子は隆の返事を聞くと突然周りの物を投げつけた。
目には涙。泣きながら次々と物を投げる。
隆は急いで扉を閉め、姉のもとから去った。
―――姉さん。一体何があったんだよ。
あの感じでは当分は口も聞いてくれないだろう。
仮に機嫌が治ったとしても何があったか聞ける日は永遠に来ない。
隆はそんな気がした。
佳子の表情は変わらない。視線を合わせてきた生徒を睨み返している以外は殆ど表情を変えない。
羞恥のためか体の色こそ赤く染まっているが、最初に言われたポーズも全く崩していない。
望まない事とはいえ、一度引き受けたことは完璧にやり通す、彼女のプライドがなせる技なのか、
他の生徒だったら、体力の限界が来る一時間の壁も物ともせずに佳子は裸体ポーズを取り続けた。
部員は佳子の下半身部分を書きながら、ニヤリと笑う。
佳子の心は胸を晒そうが陰毛を晒そうがなかなか折れない
しかし佳子の頑張りがまったく無駄であることを部長はよくわかっていた。
そしてその瞬間が近づいていることも。
「今日はこれで終わりです。佳子には作って欲しい資料があるので後で別室まで来てください」
終了の掛け声が聞こえると佳子は急いでバスローブを掴み、素早く着た。
先ほどまで晒されていた美しい裸がローブに隠れると、落胆とも言えるため息な雰囲気が教室を覆う。
部長と他3人の上級生に連れられて佳子は別室へと移動していく。
教室に残った他の3年生達は連れられていく佳子の姿を見てニヤニヤと含みのある表情をしていた。
作業が終わるとモデルは別室に連れて行かれる。
これは例外なく必ず行われる作業。
普段は特に気にしなかった先輩たちの謎の行動だが、モデルが自分の姉となると、今何が行われているか隆は心配になっていた。
10分ほど経つと部長が戻ってくる。佳子の姿はない。
「では後始末はB班がやっててください。今日はお疲れ様でした。解散」
部長の声を聞き部員たちは一斉に帰り支度を始めた。
隆は急いで部室から出る。
別室に行き、姉を探したがいない。
隆は部室に戻り、帰り支度をしている部長に声を掛けた。
「部長、姉さんがどこに行ったかしりませんか」
「もう帰ったわよ。色々とショックなことあったから家で慰めてあげてね。あと、実の姉をおかずにしたら駄目だよ」
「そ、そんなことするわけないじゃないですか」
「本当は姉の裸を隅々まで見られて嬉しいくせに。顔に書いてあるわよ。ははっ。じゃーねー」
上機嫌な部長は笑いながら部室から出て行った。
隆は誰もいなくなった部室で一人立ちすくんだ。
―――俺が姉の裸が見られて喜んでいる? いや、そんなことは無い。実の姉があんな目にあって喜ぶはずがない。無いんだ……
--------------------------------
隆は急いで家に帰った。
玄関を開けると佳子の靴があり、隆はほっとした表情を見せる。
「姉さん、帰っていたんだ」
あんな姿を見てしまった直後にどう接すればいいのか分からなかったが、隆は姉の無事な姿が見たくて居間へと移動した。
居間には佳子がなにか難しい顔をしながら座っていた。
佳子は隆の姿を見るとすかさず立ち上がり隆の前に立つ。
そして怨みを篭った目で、
「あのことしっていたの?」と言った。
「?」
隆には何のことだかわからない。
姉は本気で怒っている。何のことだかわからないが姉を慰めるつもりで、
「気にするなよ。もう終わったことだろ」と言った。
「やはり、しっていたのね。なぜ教えてくれなかったよ。あんな事されるんだったら絶対引き受けなかったわよ。あんたなんて大嫌い。出て行って」
佳子は隆の返事を聞くと突然周りの物を投げつけた。
目には涙。泣きながら次々と物を投げる。
隆は急いで扉を閉め、姉のもとから去った。
―――姉さん。一体何があったんだよ。
あの感じでは当分は口も聞いてくれないだろう。
仮に機嫌が治ったとしても何があったか聞ける日は永遠に来ない。
隆はそんな気がした。