水泳部の伝統 第二部 プロット版

水泳部の伝統 第二部 プロット版



 午後6時30分。
 日も半分以上が沈み一般生徒はもちろん、部活動をしていた生徒も大半が帰宅の途についた。
 そんな静まり返った校舎内の廊下を1人の背の高い女子が歩いていた。
 もし、彼女とすれ違う生徒がいれば誰もが驚くだろう。
 その生徒の上半身には何も付けられていない海パン姿だったからだ。
 中3にしては立派な大きな乳房を晒しているというのに表情一つ変えない。

「失礼します」

 上半身裸の女子が職員室の扉を開ける。
 そこには机と誰も座っていない椅子のみがあった。
 どうやら教師も大半が帰ったあとのようだが奥から女性の声がした。

「須崎か。待っていたわよ。こっちにいらっしゃい」
  
 やや冷たそうな女声が職員室に響く。
 須崎は乳房を隠すこと無く、見事な姿勢で声の主が座る場所まで歩いた。

「岡本先生。本日の部活動はすべて無事終了しました」

「ご苦労さん。今日は新入生の全裸自己紹介の日だったわよね。で、今年の脱落者は何人出たの。5人?10人?」

 水泳部顧問に相応しいガッチリした体つきの岡本はペンをくるくる回す。
 自分の部の新入生が退部したかも知れないというのにその顔には笑顔すら見える。
 たかが異性の前での全裸自己紹介を拒否するような生徒は鍛えるだけ無駄と言わんばかりの態度だった。

「0人です。男女ともに辞めた生徒はいませんでした」
「へぇ。意外。で、どうだった。誰か見込みがある生徒はいる?」
「はい。1人います。ただその子は肌の露出を嫌い、水泳部の伝統をはっきりと否定しているので今後の成長が望めるかどうか心配です」
 
 説明を聞いた岡本教師はフッと笑う

「そういう子こそ叩けば強くなるものよ。須崎あなただって1年の時は涙目になりながら乳房と竹刀の跡がついたお尻を晒してグラウンドを走っていたじゃない」

「そんなこともありましたね。だからこそ、今の水泳部ではあの子の才能が開花されずに終わるのが怖いんです。私が1年の時は水泳部の伝統はまだ辛うじて残っていたのに」

 須崎はやや遠い目をし当時を懐かしむ
 水泳部の男女が分かれたのは、ちょうど須崎が1年の時だった。
 だから彼女も古き水泳部の伝統は知らない。

 それでも、今とはかなり状況が違っていた。
 当時は完全に男女が完全に別れているわけではなく、同じ日に同じ場所で練習が行われていたからだ。
 その結果、海パン組1年の須崎は一年間ずっと男子たちの目に乳房を晒し続けた。
 全裸で立たされるシーンすら何度見られたかわからない。

 だがそんな苦行も彼女は耐えきった。
 あの一年間があったからこそ今の実力を手に入れた。須崎はそう固く信じていた。

「OGとしても今の水泳部は腑抜けだと言う意見には同意するわよ。特に今のキャプテンは駄目ね。すぐ暴力をふるおうとするけどあれでは駄目。とても体罰を許可できない。須崎もそう思わない?」

 岡本はふーとため息をつき、須崎の目を見た。
 それはなにかを期待しているような目つきだったが須崎は何も言わない。
 ただ黙って乳房を晒し続けた。


 そんな静音ガラガラとやかましい騒音で打ち消された
 音がした方を見ると職員室の戸が開いて一人の男が入ってくる

「うわ。な、なんだ。女の裸??」

 驚いたような男の声が響く。
 須崎のむき出しの白い上半身を見た男が固まっていた。
 
「あら、先生、忘れ物ですか」

 岡本がそう言うと男性教師の表情が変わる。
 そして納得したかのように何度か頷く。
 水泳部の女子が海パン姿で練習していることは教師の間でも有名だった。
 水泳部顧問の前に裸の女子がいれば水泳部の生徒であることは容易に想像できた。

「ええ、ちょっと忘れ物を」

 と言いつつ男性教師は須崎の目の前まで行き、その乳房をマジマジと眺める。
 その視線はいやらしい。教師と言うよりただの中年親父のものだった

「水泳部3年、須崎と言います」 

 須崎は一瞬だけ嫌悪感を示す顔をするがそれもすぐ消えた。
 1度大きくお辞儀をし、直立不動のまま若々しい張りのある乳房を男の目に晒し続けだ。

「ふむ。流石は岡本先生の教え子だ。よく指導されている。ここまで鍛えるのは大変だったでしょう」
「須崎はそこまで手間を掛かる子ではなかったですね。そもそも水泳部なら誰でもこのぐらいは出来ますし」

 褒められてまんざらでもないのか岡本も機嫌良く話をしていた。

「おっといかん。こんなことしている場合じゃない。時間がないんだった。では先生また明日」

 須崎の乳房を散々見た男性教師が急いで職員室から出て行く
 本当に時間がなかったようだ

 騒がしい男がいなくなり職員室は再び静まり返った
 ここにいるのは30代の女性教師と海パン1つの女子生徒のみ。

「須崎、私が何を言いたいかわかるわよね。アナタがこれから何をやらなくてはいけないか」

 先程までの笑顔とは打って変わって岡本は厳しい顔を見せる。
 相当怒っているようだ

「はい。わかっています。私は先ほど男性教師に近寄られて心を取り乱しました。罰として海パン姿のままグラウンド10周をやろうと思います」

 須崎も自覚していた。乳房に視線を向けられた時に羞恥心と嫌悪感が身体をかけめぐったことを。
 そんなことで心を乱すのはまだまだ精神が弱い証拠だと思い自分を責めた。

「ふん。甘いわね。こんな誰もいない時間のグラウンドを走って何の意味があるの」
「それは……」
「私が海パン組をやっていた時代だったら、失敗したと自覚したその瞬間に海パンを下ろして校外を走ったものよ」

 岡本がそう言うと須崎の喉がゴクリと鳴る。
 そしてやや躊躇いながらも海パンを下ろした。
 剃っているのか元々ないのかツルツルの割れ目が顕になる。

「わかりました。今から全裸でグラウンド10周とBコースを走ってきます」
 Bコースとは学校の外枠をグルリと回るコースだ。
 全体的に人通りは少なく、他の運動部も使う定番コースだが、一箇所だけ本道と交差する場所があり、そこの車道には車が頻繁に通っていた。

「全裸ジョギングはやって当たり前。明日やることがあるでしょ」

 まだ岡本は許さない。よほど先ほどの失態を重く見ているようだ

「明日、梨田教師に謝ります」
「いつ? どこで? どんな格好で?」

 岡本は回りくどく問い詰める。
 1年の時から猛特訓を受けていた須崎にはわかっていた。この顧問は何を言わせたいのかを。

「職員室の前。私の制服でもある海パン姿になって心より謝罪するつもりです」
「それでいいわ。ではさっきの罰を償うために胸を張って堂々と走ってきなさい。わが校の生徒に恥じないように」
「ハイ!」

 須崎が急いで職員室から出ていく。
 それをじっと見ていた岡本は軽く溜息を付いた。

「須崎ですらこんなもんか。いくら表面的に平気な顔をしても恥ずかしさで体が震えているしそれを直そうともしない。やはり今の水泳部は弛みきっているわね。早く手をうたないと」

 岡本は机の引き出しを開け、1冊の古びたノートを取り出した。
 そしてページをゆっくり巡る。
 そこには水泳部1973年4月と書かれてきた

終わり
理不尽パワハラ上司のおっとり純朴巨乳妻〜中出し寝取ってすっきり復讐果たしちゃう話〜